本画仙 色紙

以前にも書きましたが、イチゴの旬はいつと言うべきでしょう?。
自然栽培で一番美味しく食べられる収穫のピークに向かう頃とするなら、当地では正に今です。
関東以西なら5月と言うことになるでしょうか。
ところが、この時期自然の露地栽培のイチゴが店に出回ることはほぼ皆無です。
昔は我が家でも作っていました。東のダナー、西の宝交早生と言われた時代、品種は極めて限られていました。
しかし、経済栽培は成り立たず露地のイチゴは半世紀前に姿を消しました。
作られているのは趣味のイチゴのみです。
出回るのはハウスのイチゴだけで、最も早くは11月中から半年以上も穫り続けられます。
最初のピークを需要の高まるクリスマスを目指す方も多く、そういう意味ではクリスマスの頃が旬と言ってもあながち間違いとは言えないかもしれません。
但し、これはあくまで促成栽培であって品種も促成栽培向けのものです。
イチゴは冬季低温に遭うと休眠に入ってしまいまともに生育しなくなるので、温度と日長をコントロールして栽培します。
そうすると生育は維持され花房が次々と伸び、春まで収穫が続きます。穫ろうと思えば露地栽培よりも遅くまで穫れます。
価格も安くなり次作の準備もあるので適当なところで打ち切るというわけです。
露地栽培では冬季に休眠に入り過剰なほど低温に晒された後、春に花が咲き実を結びます。
春には休眠はすっかり覚め株は旺盛に茂りますが、花房は秋に花芽が出来た1つだけしか出ません。
そのため促成栽培と違い収穫期間は僅か2、3週間で終わってしまいます。これがイチゴの生理現象です。
描いた水墨画は収穫盛りのイチゴに新たな花房の花が咲いているところです。
露地栽培ではこのような姿になることはないので、モチーフはハウス栽培のイチゴと言うことになります。