
夏秋キュウリはネットに誘引、当地で言う蔓上げをして半月余り経ちます。通常の生育ペースと思います。
品種は今年4年目になる「OS交配ニーナ」。

蔓上げ間もなくの雨の後、急に真夏日になって晴れ上がり、芯焼けした株があります。
ここ数日も気温が非常に高い。当地方も6月14日に梅雨入りしたものの途端に真夏のような天候。
一昨年、昨年と2年続けて空梅雨。今年も同様の傾向なのか。
蔓上げ時の葉色はやや濃すぎるくらいでしたが、今は冴えた光沢の本来のキュウリらしい葉色になってきました。
現在、本葉が13~15枚でややばらつきがあるもののまずまずの生育と言ったところ。

過去3年の経験で品種の特性はほぼ把握できました。
節間が短く、葉は小振り、節成り性が非常に高くほぼ100%雌花が着きます。
もともと雨除けハウス向けに推奨されている品種ですが、その特性が良く表れています。
作業が若干遅れ気味となりました。仕立て方を明確にして誘引する時期になっています。
1週間ほど手を掛けずにおり蔓が少々乱れています。

夏秋きゅうりの仕立て方には1本仕立て、2本仕立て、3本仕立て、さらに半放任まであります。
仕立て方は株間との関係で決まります。
基本となるのは1本仕立てで、我が家も昔は株間60㎝の1本仕立てでした。
親蔓の主枝がやはり強いので初期の収量は植付け本数が多い分確実です。
但し、株間と仕立て方が適切ならトータル収量はあまり変わらないと言うデータの裏付けがあります。
もちろん、1本仕立てと言ってもトマトのようにわき芽を全て搔いて親蔓だけを伸ばすわけではありません。
何れの仕立て方にも共通するのは親蔓そのものから穫れる果実はごく一部、あくまで子蔓、孫蔓と側枝主体に収穫します。
老朽化したハウスを解体し苗を購入するようになってから、我が家の仕立て方は専ら2本仕立てです。
以前は株間75~80㎝でしたが、昨年から本数を減らし90㎝、そして今年は95㎝です。
これまで株間を広げ本数を減らしても変わりなく穫れることが体感できています。
株間90㎝以上になれば3本仕立てや側枝を適当に間引く程度の半放任も可能ながら、変わらず2本仕立てにします。
我が家の2本仕立ては、親蔓と3~5節目から出た勢いの良い子蔓1本を主枝として誘引します。
この株が一番進んでいます。本葉15枚になっているので頂点でピンチする時には30枚を軽く超すと思われます。
この株が一番進んでいます。本葉15枚になっているので頂点でピンチする時には30枚を軽く超すと思われます。

この品種は節間が短いのが特徴で、ピンチするまで普通の品種より2、3割葉数が多くなります。
1、2節目のわき芽(子蔓)は早めに搔き、3節目以降は伸ばしたままになっています。
根元に近い部分はこのようになっています。

3~5節目のわき芽のうち勢いの良い子蔓1本を残し、他は搔きます。
親蔓と残した子蔓1本を誘引して伸ばし、主枝とします。

なお、芯焼けを起こした1株は親蔓をピンチし子蔓の2本仕立てにしました。
子蔓主枝の根元に近い2、3節から出るわき芽や雌花は掻いてしまいます。
親蔓主枝の6節目から出た子蔓は1節で摘芯しました。
この品種は節間が短く節成り性が非常に強く親蔓の各節にほぼ100%雌花が着きます。
一般の露地キュウリは親蔓の着花率が通常数十%で親蔓からの収穫はごく一部です。
親蔓7、8節目までの雌花は全て掻くのが普通です。
この品種は着花率が高いため樹勢のことも考慮し多めに掻くようにしています。
それでも今年は樹勢が強いと判断し、9節目くらいから雌花を着けることにしました。

これが摘花、摘芯後です。

仮に下位の雌花を着けていればとうに収穫は始まっていました。
しかし、先は長く、早くから果実を肥大させるのは樹勢に影響し得策ではありません。
ナス科と違いキュウリは繊細。目指すは100日以上の収穫です。短距離走ではなくマラソンの完走を目指します。
わき芽と雌花を整理し誘引した後の姿。2本仕立てのスタートです。

隣の株も同様にわき芽と雌花を整理し2本仕立てに誘引しました。

夏秋きゅうりでは親蔓から穫る果実はごく一部、勢いの良い子蔓、孫蔓を確保できるかどうかが明暗を分けます。
そのためにまずはしっかり株を作ることが第一。多少早く穫り始めても株を弱らせたのでは大きなマイナス。
そのためにまずはしっかり株を作ることが第一。多少早く穫り始めても株を弱らせたのでは大きなマイナス。
それでも数日中には確実に穫れ始まります。
他の株もわき芽と雌花を整理し誘引しました。
親蔓の雌花は蔓上げの時に見えている雌花は掻きましたが、さらにこのくらい搔きました。

この程度の雌花は収穫最盛期の1日分にもなりません。出だしのペースはゆっくりが無難。
親蔓と強い子蔓1本を主枝としてネットに均等に配置するよう誘引していきます。

支柱の内側から見るとこのようになり、全ての株を2本仕立てに誘引しました。

1株が芯焼けしたのは想定外でしたが、何れ殆ど分からなくなるでしょう。
まずまずの出だしで、4年連続の収穫日数100日以上の達成を目指します。